日本が抱える航空業界の課題解決に挑む!
旅客需要回復を支える
“空港業務”の持続的発展へ。
ANAシステムズ×ソルブレイン対談
〜SKEIL OnSiteで
GSE車両のデータを収集・活用する実証実験を実施し、
人的コスト84%効率化の見込み〜

国土交通省は、2023年から航空機の運航に不可欠な空港業務の持続的な発展に向け、人材確保やDX化・GX化などについて関係者一丸となった取り組みを推進していくため、「持続的な発展に向けた空港業務のあり方検討会」を設置しています。空港業務の生産性向上は国を挙げて取り組むべき重要なテーマとなっています。

背景の一つに、旅客需要の成長があります。
コロナ禍で大打撃を受けた旅客需要でしたが、近年は訪日需要やビジネス需要が後押しとなり活況を迎えています。
引き続き、旅客需要回復を円滑に進めるためには、航空機の運航を支えるグランドハンドリング(空港業務)において、DXを推進し生産性を向上させることが不可欠です。

このような現状を踏まえて、ANAシステムズの小椋氏はグランドハンドリング効率化の重要性にいち早く着目し、当社とGSE車両のデータ収集・活用に関する実証実験を実施しました。

本対談では、実証実験を振り返りながら今後の展望についてお話しいただきました。

※左からソルブレイン・白藤、熊谷。ANAシステムズ株式会社・小椋氏
右から小椋 翔太 氏、熊谷 龍之裕、白藤 裕貴

ANAシステムズ株式会社

オペレーションシステム部 運航ソリューションチーム
小椋 翔太 氏

株式会社ソルブレイン

システムディベロップメントDiv.
白藤 裕貴(エンジニア)
熊谷 龍之裕(エンジニア)

空港業務を支えるGSE車両の燃料管理を改善する

実証実験実施に至ったきっかけについてうかがいました。

ANAシステムズ株式会社 小椋 翔太 氏(以下小椋氏)
ANAシステムズは、ANAグループのIT企業としてシステム開発やDX推進が大きなミッションになります。
私の部署では航空機の運航管理や離発着支援、および乗務員の業務を支えるシステムの開発・保守運用を行っていますが、ANAグループ内の様々な課題に対して新技術を使った改善活動にも精力的に取り組んでいます。

ANAシステムズ株式会社・小椋翔太氏の写真

小椋氏
当時私は、航空機の安全運航と定時性を支える「グランドハンドリング業務」の改善に注力して情報収集を行っていました。
というのも、私自身前職でグランドハンドリング業務に携わっていた経験から「グランドハンドリング業務を技術の力で今よりもっと効率化したい」という思いが人一倍強かったからです。
そういう思いを抱えていたタイミングで、ソルブレインのSKEIL OnSiteを知りました。

SKEIL OnSiteの資料
<SKEIL OnSite>
車両管理を通じた業務オペレーションの最適化を実現するソフトウェア。
「リアルタイムにドライバーの行動や位置を把握できる」「AIを活用したデータ収集」といった特徴を持ち、車両データを収集・活用し、システム連携することでデータの価値を最大化する。

小椋氏
SKEIL Onsiteのデモを見て、「グランドハンドリング業務を支えるGSE車両(空港地上支援車両)管理に活用できそうだ!」と思いました。
全国の空港では、旅客の乗降や航空機の整備といったグランドハンドリングのための車両が数百〜数千台運用されています。
安定した運用のために「車両の燃料管理」は欠かせません。
しかしながら、広大な空港敷地内のいたるところでGSE車両は使われており、車両ごとの位置や燃料残量の確認、給油対象車両の選定等の業務に多くの人的・時間的コストを要している状況でした。

左からソルブレイン熊谷・白藤の写真

株式会社ソルブレイン 熊谷 龍之裕(以下熊谷)
小椋さんからグランドハンドリング業務を取り巻く現状や課題をお伺いして、SKEIL OnSiteで何とか力になりたい!と強く思いましたね。

株式会社ソルブレイン 白藤 裕貴(以下白藤)
SKEIL OnSiteは車両の走行履歴や位置情報をリアルタイムで確認できるため、GSE車両の位置の特定・管理にはすぐにでもご活用いただけると思いました。ただし、燃料残量を把握する機能は新しく実装する必要がありました。
さらにGSE車両はこれまでSKEIL OnSiteを導入してきた一般車両とは仕様が異なる部分も多かったため、GSE車両に特化したSKEIL OnSiteの開発に向けた実証実験をスタートするに至りました。

小椋氏
燃料管理の大変さは私も実体験として感じていましたから、社内に提案した際に全員からGOが出て背中を押してもらったのは嬉しかったですね。

GSE車両データ化・活用に成功。人的コストを84%効率化の見込み

実証実験の結果はいかがでしたか。

熊谷
実証実験では「GSE車両のデータ取得」「燃料管理方法の検討」それらを一元管理する「SKEIL OnSiteの開発・運用」を行いました。
結果として、必要なGSE車両データをリアルタイムで取得することに成功し、燃料残量把握ロジックを検証することができました。
SKEIL OnSiteの活用によって、GSE車両管理のプロセスを削減し、人的コストの84%が効率化できる見込みがあることが分かったんです!

実証実験の様子
実証実験の様子(1)
実証実験の様子
実証実験の様子(2)

小椋氏
当初の目的である燃料残量管理ができるようになったのはもちろん良かったですが、今回の実証実験を経て、「燃料残量の他にもGSE車両データを取得・活用したい」という期待の声もいただきました。
燃料管理だけではなく他の分野での活用も視野に入れて、今後もアイディアを模索していきたいですね。

白藤
実証実験を通して新たに検討が必要なことも見えてきて、グランドハンドリング業務の効率化へ向けた大きな一歩を踏み出せたように感じます。

実証実験を振り返っていかがですか。

3名の対談の様子の写真

小椋氏
初めての試みだったためお互い常に手探り状態でしたね。
ソルブレインさんはこまめに連絡をくださり、何でも相談しやすい雰囲気を作ってくれたのはありがたかったです。

熊谷
ありがとうございます!毎週のようにMTGをしましたね。
グランドハンドリング業務は非常に専門性の高い仕事です。業務プロセスの理解やGSE車両や空港の仕様・ルールなど、まずは現場を徹底的に理解したうえでシステムに落とし込む必要がありました。そのためにも、綿密なコミュニケーションが非常に重要だと考えていました。

小椋氏
SKEIL OnSiteのUIの分かりやすさや利便性は期待以上でした。
燃料管理は屋外での作業になるので、直感的な分かりやすさは非常に重要です。
GSE車両管理を担当している社員も、初見でも迷いなく使えていました。

SKEIL Onsiteの画面
SKEIL Onsiteの画面(表示されているデータはサンプルです。また、一部モザイク処理をかけています。)

旅客需要回復を支える”空港業務”の持続的発展へ

今後の展望を教えてください。

小椋氏
未来を見据えた取り組みにチャレンジし続け、DXの力でANAグループの成長をどんどん加速させていきたいですね。
グランドハンドリング業務効率化はANAグループだけではない、航空業界全体で取り組むべきテーマです。
昨年(2024年)から国土交通省がグランドハンドリングの生産性向上・人材不足の解消に向けて動き出しました。
その背景には、コロナ禍を経て急伸している旅客需要の高まりがあります。いくら需要があってもグランドハンドリングなしでは飛行機は飛ばせませんから。
グランドハンドリング業務効率化は、ただのコスト削減だけではなく、長期的には、航空業界の持続的な成長に繋がる可能性があるのです。

熊谷
私たちも多様な業界に対して、テクノロジーとデータを駆使して、事業の課題を吸い上げ、アイディアと仕組みで解決していくことで持続的な成長の実現を目指しています。 ANAシステムズさんと目指している方向は一緒です。

白藤
今後も連携しながら、航空業界の成長に向けてサポートをさせていただければと思います。

対談の様子の写真

※本記事に掲載している企業情報や内容は公開当時(2025年2月26日)のものです。

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